キィー……

ドアが開いて、聖夜に捕獲された人々が文句を言いながら入ってきた。

その中には音弥の姿もあって……。

ドキン、ドキン



鼓動がまた早くなる。





「全員揃ったか?」

尚輝先輩が人数を確認して、号令を掛けた。

さっき尚輝先輩に言われたことが頭の中を駆け巡ってて、思わずあたしは音弥を見つめていた。


時折、目が合い逸らす仕種に鼓動が速くなるのが手に取るように分かる。



「てなわけで、今年の夏祭りでは役員全員自由に行っていいぞ。
本日はこれで解散!いい夏休みを~」


時間を掛けて役員を召集したわりに、短すぎる活動。

意味があったのか無かったのかは微妙だけど、あたしは尚輝先輩に感謝した。



もうすぐ夏祭り。

それまでに、胸のドキドキの正体を見つけなくちゃ。




「なにニヤけてんだよ」