またもや拉致?

聖夜には、転入当日から拉致されたっけ。なんかその時に似てる……。

風に揺れる茶色い髪の毛が日に透けて見える。
凄くキレイで思わず、見とれた。


口を開かなかったら、きっとかなりモテてる。
なのに口が悪いから……





「ほい」

突然、頭の上に冷たいものが乗っかる。
手にとってみると、缶のオレンジジュースだった。

あたしはちょこっとだけ恥ずかしくなって、微笑む。

なんか今日の聖夜、聖夜じゃないみたいで調子狂うな……。




「…ありがと」

「お前、オレンジジュースとか好きそうだもんな。座れば?」



聖夜は缶コーヒーを手にソファでくつろいでる。
隣に座るのもどうかと思い、あたしはあえて向かいに座った。



しばらくお互い無言のままだった後、徐に聖夜が口を開いた。


「……あいつらのこと知ってるか?」