はい、と低い声が聞こえたと同時にドアが開く。

中から出てきたのは……聖夜。




「阪田と……美海か」


ってか、何その間!
腹立ったから軽く睨みつけてやった。

…本っ当にムカつく。


中に入るように言われ、真綾ちゃんとあたしは二人で足を踏み入れた。






「よぅ」

ベッドに座っているのは……生徒会事務局の笠原亮佑……?
その人は、真綾ちゃんに向かって手を振っている。


対する真綾ちゃんは、絶句した様子で茫然としていた。




「おい美海」


あたしが何も出来ずに佇んでいると、聖夜に呼ばれた。

居心地が悪かったから、少しだけ……本当に少しだけ感謝。



「喉渇いたから飲み物買いに行こうぜ」

「……なんであたし?」

「いいから」



聖夜が近づいてきて、あたしの腕を掴んだ。
それと同時に強い力で引っ張られて……

「ちょっ…「行くぞ」


拉致された。