「少しくらい手伝ってくれてもねぇ……」


あたしは病み気味にハァとため息。

ニンジンに怒りをぶつけて切り終え、鍋の中に放り込む。


玉葱を一つ手にとり、これもまた切ろうとしたら……



「……ッたぁ」



左手から流血ーッ!

思わず皮で手が滑って、包丁の刃はそのままあたしの指へ。



ジクジク

血を流しながら傷口は開いていく。
痛いの時限じゃなく、気を失いそうになる。






「美海」


耳元で声が聞こえたと思ったら、あたしの手はそのまま掴まれて声の主の方に………