ずっと好きだった。
中学の頃からずっと。
最高の、あたしには勿体ないくらいの“彼氏”だった。
「もうこの話やめよっ!うわぁ海キレーイ」
「光……」
「美海っ!真綾っ!海キレイだよ~」
うたた寝中の二人を起こして、あたしははしゃいだ。
せっかくの宿泊学習。
楽しまなきゃ損でしょっ?
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「「ふぇ……うみぃ?」」
光の声に起こされて、あたしと真綾ちゃんは、ほぼ同時に目を醒ました。
カーテンを開けるとそこには真っ青な海が広がっていた。
「うわぁ…」
「キレイだね…」
真綾ちゃんと二人揃って感嘆符を漏らす。
海沿いの道を進むバスの窓からみた東京の海は、想像を超えて凄くキレイだった。
『―ホテルに到着致しました。皆さん降りる準備をしてください』
バスガイドさんの声に従って、あたし達は降りる準備をした。
そして見えてきたのは……
これまた綺麗なホテル。
なんか凄すぎるよ…。
二泊三日のドタバタ宿泊学習が始まる――
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