とりあえず花火の作り方をプリントで確認して、音弥が戻ってくるのを待った。
「まだかな……」
?!
そう呟いた時、目の前に大量の荷物が落とされた。
顔を上げるとそこには、あたしを見下ろす音弥の姿。
え……あたし、なんかしたっけ…?
ビクビクしていると音弥があたしの隣に腰を下ろした。
「早くやるぞ」
「うっ、うん!」
大きく頷いてみた。
それでも鳴りやまない鼓動。
どうして?
あたし、やっぱり変だ。
音弥の指示に従って仕事を進める間、音弥の顔ばかりが浮かんでは消して…浮かんでは消してを繰り返していた。
どうしちゃったの?
「おい、美海」
「な…何?」
「何驚いてんだよ。そっち終わったのか?」
音弥はあたしの手元を見る。
やば……さっきから全然進んでない…。
音弥に怒られる……っ。
「美海さ…不器用?」
「……なっ」
まさかの図星。
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