「やっぱり聞かないよ。言いたくないことだってあるし…ね?」



美海は笑って去っていった。
やっぱり不思議な子。






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「…おーとーや?」




耳元で甘い声が聞こえた。
一気に現実に連れ戻されたみたいで、なんだか変な感じがする。


今は……?ここは……?



眩しい日差しが俺の上に容赦なく降り注ぐ。
実際問題、暑いのも日にあたるのも苦手。





「………ん、何?」

「また屋上で昼寝?栗沢美海ちゃん、泣いちゃうよ」

「美海…?」




目を開けると、昨日とは違った光景が広がっていた。



俺の横にはウザい麻菜がいて、美海はいない。
俺の腕の中にいた美海はいない。

いるのは……俺の頭の近くで仁王立ちをするウザい麻菜だけ。

その前に俺、なんで美海のこと探してんだ?