二人とも鈍感だから、自分の気持ちに気付かない。
もう……もどかしい。


あたしが教えるのは簡単だけれど、それじゃ意味がないから。
我慢、我慢。






「本当……意味わかんねぇ」



呆れたように嘆く聖夜。

どうやらあたしに恋のキューピッドは向いてないようです。

心の中でため息。





「ひーかりっ♪」


あたしの視界いっぱいに美海が広がる。

ああ……マズい。
また嵐の予感。




「光、アイツと何話してたの?」

「え?なんでもないよ」

「もしかして……光さ、聖夜のこと…好きなの?」




は?はあああああ?!
何でそういうことになる?!


今にも発狂しそうになって、必死で美海に気付かれないよう抑えた。

あたしの好きな人は……






「違うよ。あたし…好きな人ちゃんといるから」

「なんだあ…つまんないの。で、誰??」

「同学年に興味無いから」





そう。
あたしが好きなのは……