役員が各々、自分の席について尚輝先輩を見つめた。

あたしもそれに従って、尚輝先輩を見やった。




「………美海」

小声で名前を囁かれたと思ったら、左隣から小さく折られた紙が落とされた。




「……あ」

あたしの左隣の席は音弥だった。
そのことを改めて受け止めると、何故か心臓がさっきみたいにドキドキし始めた。


震える指で紙を開くとそこには……。





『さっきはありがとう 音弥』



男の子の字にしては綺麗すぎるくらいの字が並んでいた。
文章が短くて空いた空白が寂しいけど、嬉しかった。


どうしてか、恥ずかしくなって音弥の方を見れなかったけど。







「…最後に美海ちゃん!」

「へっ…?」




やばっ……企画の内容、聞いてなかった……。

えっと……夏祭り…夏祭り……






「えっと………わたあめ?」