「……ん…美海?」
突然、そう寝言を言ったと思ったらグイッと手を引っ張られた。
?!
「ちょっ……」
あたしの身体は前のめりになって……
世界が180度反転した。
横に顔を向けると、綺麗な寝顔で眠る音弥がいた。
スースーと聞こえる小さな寝息。
ってか、あたし……。
抱きしめられてるの?!
音弥の腕はいい感じに絡まっていて、身体はピッタリと密着中。
「ちょ…音弥っ」
心臓がドキドキして、息をするのが苦しく感じる。
顔が近い……。
こんなに綺麗な顔が傍にあったら、あたしの心臓止まっちゃうよ。
「……音弥…」
相変わらず心臓は鳴りやまないけれど、それでもまだ傍にいたいと思ってしまう自分がいた。
抱きしめられてる身体が熱い。
この感情は何だろう……?
あたし……
もしかして。
もしかしたら……
.