握らされた紙を見ると、そこには携帯電話の連絡先が書いてあった。
「連絡……しろよ?」
「う、うん」
「美海の家、ここだろ?」
音弥に言われてあたしは辺りを見回す。
あたしがさっきまで押し付けられていた壁は、あたしのマンションの壁だった。
「………っ///」
「さっきのこと…内緒な?じゃあな、子猫ちゃん♪」
さっきまでの状態を想像したら、急に恥ずかしくなって音弥の顔が真っ直ぐ見れない。
脳裏に浮かぶのは、音弥のいたずらな笑顔と命令口調な声。
転校初日から、あたしはとんでもないことを仕出かしたみたいです。
クールで王子様キャラだと思っていた音弥は、とんでもなく王様で。
あたしは捕らえられたみたい。
ダブル王様に囲まれ……
波瀾万丈な日々になりそうな予感が……。
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宣戦布告をされたのは、転校生の書類を見たとき。
一目惚れなんてキャラじゃないのに、なぜか……
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