「…二重人格?キャッ」

近くの壁に手を押し付けられて顔が……近い



「今気付いた?」



東條くんの綺麗な顔がすぐそばにあって、あたしの心臓は一層跳ねる。

ドキドキドキドキ…





「音弥。音弥って呼べ」


さっきまでの王子様キャラはどこかへいって、思い切り命令口調の音弥。





「……音弥」

「よく出来ました」



そう言ってだんだん近づく音弥の顔。
握られた手が熱い。


……キス、される







ちゅっ

柔らかい感触と共に頬が照てる。


思いがけないほっぺにキスで、あたしの顔は真っ赤に染まる。





「クスッ…いい反応」

「音弥って二重人格……?」

「それ以上言ったら、キスするぞ」




キス………
されたいかも。

って何考えてんだあたし!





音弥の手があたしから離れて、何か紙を握らされた。


「へ……?」