言葉が耳に届いたと思ったら……

あたしの目の前には、ゆでだこみたいに真っ赤な尚輝がいた。



視線が重なって恥ずかしくなったのか、またあたしの首元に顔を埋めた。





「だから……

自分の好きなヤツにあんなこと言われて、嬉しくないわけがないだろ…」




語尾が消えそうな辺りから、尚輝が柄にもなく照れているのがわかる。

驚いたのと、だんだん嬉しい気持ちが襲ってきて……

自然と頬が緩んでいた。





「ねぇ尚輝…」

「ん?」

「………好き?」




少しの沈黙のあと。

はは、と笑う声が聴こえてきて。




「…何、言ってほしいの?」

「?!そんなんじゃ……」

「好きだよ」



横を向こうと思ったら、尚輝の甘い声が聴こえてきて。
自分の顔が真っ赤に染まっていくのがわかる。



「……自分でも驚くぐらい、光に溺れてる。

って…何言わせてんだよ」


あー、恥ずかし。と付けたしながら聴こえる笑い声。

これってもしかして……




「尚輝……」

「ん?」



一つ深呼吸して。





「好きです」




あの時とは、逆の立場で。
これが、等身大の想い。



――…届け。