「そんな…バッサリ切らなくても……
んと“放っておけ”かな?…あれ、もはや二文字じゃないじゃん」
「お前……ほんとバカ(笑)」
真剣に考えた言葉だったのに、またもやバッサリ。
しかもバカって……。
鈍感男に言われたくないよ。
あーでもないこーでもないと言いながら、あたしが答えに悩んでいると……
あたしの耳にフッと温かい吐息がかかる。
あたしを包む腕が、肩が、小刻みに震えて……?!
「笑ってないで、早く答え教えてよ」
「はは…真剣に悩みすぎ。もっと簡単に、な?」
あたし、尚輝がわかんない。
昔から掴めない人だとは思ってたけど、ここまで不思議な人だとは思わなかった。
眉を寄せてたと思ったら、優しく微笑むし。真剣な顔をしてたら、突然笑うし。
問題も尚輝も…本当によくわかんないよ。
「時間切れ。仕方ないから、答え教えてやる
答えは……」
「…答えは?」
目の前に尚輝の顔が現れて、キレイすぎる瞳にまたもや捕らえられた。
「……“幸せ”」
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