もうそれだけでいい。

もうその笑顔だけで十分だよ。




「……うー…あーもう!遅いよ!


…好きなの、大好きなの。
もう尚輝じゃないとダメなの。

あたしには尚輝が必要なの!!」




もう我慢しない。

もう言いたいことはハッキリ言う。

もういい加減、素直になるよ。




だから、思いっきりフラれて…きっぱり諦める。

そう決めたの。




ふわっと、優しくて柔らかいものがあたしを包み込んだ。

涙で視界の能力はほとんど無いに等しい中で、あたしは確信した。




「…なぁ光、問題。

今の俺の気持ちを、熟語二文字で答えなさい。」





耳にあたる、温かい吐息は……

大好きな人のものしか、ありえないから。








「んーと……“迷惑”?」

「じゃあヒントな。
ヒントは…漢字一文字、ひらがな一文字で構成されています。」