よしよし、と撫でてくれる手からぬくもりが伝わってくる。
それだけでほっとするんだよ。
「……なんで…っ?」
「ん?」
涙で視界がぐちゃぐちゃすぎて見えないけど、それでいい。
ハッキリ見えたら、きっとまた追い掛けちゃうと思うから。
「なんでそんなに……優しく居られるの?」
「…光だから、かな」
ほらね、そうやって優しくごまかして。
どんなにごまかしても伝わっちゃうんだよ。
あたしがどうしても知りたいから。
「俺、正直さ……光のこと本気で好きだった。
受験勉強で疲れてても、光の声聴けたらいくらでも頑張れたし、
他の女なんかとは比べものにならないくらい、光は大切だった。
光がいたから……俺、すげー幸せだった」
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