「……あー、もう」
音弥は大きくそう叫んで、強く抱きしめてきた。
その力に応えるようにあたしもしがみつく。
「本当まじで…やめて」
耳元で囁かれたと同時に甘いキスの嵐。
重ねて、離れて、重ねて、離れて…
どんなに願っても叶わないと思っていたことが、こんなにも簡単に叶えられてく。
近いようで遠かった音弥が、今はもう近すぎるくらい。
「…浴衣希望したはずなんだけど?」
「あ…あはは、あはは」
「笑い声かわいてっぞ」
じりじり迫る音弥の顔。
ド迫力……。
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