そっと唇が離れて、もう一度重なる。
涙と汗でしょっぱい。
「……ごめんね…」
「何で謝んだよ……悪いのは俺なのに」
そんなこと……ないのに。
待ち合わせにも遅れて、
浴衣姿も見せれなくて、
音弥のこと傷付けたのはあたしなのに。
「だって…約束…守れなかった……音弥のこと傷付けた…」
言葉を続けようとするあたしを遮って、もう一度重なる唇。
さっきよりも優しくて、甘い味がした。
「美海」
名前を呼ばれて顔を上げると、音弥は涙を流しながら満面の笑みを浮かべていた。
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