ハチミツのように甘く
蜂のように苦い





「……転校生だとよ」

「へえーこの時期に。珍しいなあ」



俺はしっかり糊付けされた封筒の封を切って、書類を取り出す。


小さくて綺麗な字で連なった文章。
俺は軽く目を通して、表に返した。







「…女の子じゃん」

書類を正面に返して、俺は思わず見入った。



証明写真の彼女は控えめに微笑んでいた。


栗色の肩まである髪の毛を緩めのおさげにしてある

前髪をピンクのコンコルドでとめているから顔立ちがよくわかる。


ハーフのような綺麗な顔立ち
色白の透き通る肌
茶色をした瞳


今までこの学園にはいなかったタイプの女の子。







「おい、音弥。なにみとれてんだよ」



聖夜がイヤミっぽく笑って言った。


「この子、すごい可愛い」



そんな聖夜に俺は持っていた書類を渡し、顔を思い出していた。




――どんな女の子なんだろうな……?









“生徒会室”と書かれたプレートが風に揺れた。