「美月、かんな〜!おはよう」

「おはよ!」



高校が見えてくると、駅から歩いてきた電車通学の友達たちとすれ違う。



「今週は生徒指導強化週間だからニケツ怒られるよ〜」

「うん!ありがとう」



そのまま電車通学の人たちの集団を追い抜かした。




「イノリ、そろそろ降りる。止めて」

「面倒くせぇ」



面倒くせぇって…。


生徒指導強化週間だっつーの!




「怒られるよ!?反省文書かされちゃうよ!?」

「うっせぇな。大丈夫だって、強行突破すりゃ」

「はぁ!?」



イノリはいきなりスピードを上げると、その勢いのまま校門を突破した。



呆気にとられたのか、門の前に立っていた先生達の怒鳴り声は聞こえない。




「なっ!大丈夫だろ」



悪気もなくニカッと笑うイノリ。



この男は…。