「キヨ、イノリ起きたぁ?」

「遅いから迎えに来たわよ」



イノリの寝癖を直していると、ケンとカンナが部屋に入ってきた。



「いい加減1人で起きなよ、イノリは!キヨに面倒掛けんな!!」



ケンとは川鳥健斗(かわとり けんと)という男の子。


お調子者でパンクロックをこよなく愛す、少しヘタレだけど何かと味方になってくれる優しいケン。

彼も幼なじみである。





「キヨはイノリ専用の目覚まし時計ね」



ケンの隣りで微笑んでいる美人さんは、黒花かんな(くろばな かんな)。


才色兼備で面倒見の良いカンナは私にとって、まるでお母さんみたいな存在。




「あれ、カゼは?」

「………階段疲れた」



カンナとケンの後ろからノソノソと現れた男は倉木 風(くらき かぜ、通称・カゼ)。



話し方も行動ものんびりしてるマイペースで、物事に無関心な上に無表情。

だけど顔が嫌味なくらい整っている。




彼もイノリ、ケン、カンナ同様、私の幼なじみ。