あんまんを買おうとすると、 後ろからふいに声をかけられた。 「ねえ君って旭中でしょ?俺もなんだけどわかる?」 「えっ‥?」 急に話し掛けられたのでびっくりしたのと、 見覚えのない顔だったのとで、 うまく受け答えができなかった。 「あーやっぱ、知らないよね」 確かに知らない男の子だけど、 すぐにピンときた。 丁寧にセットされた明るい髪型に なれなれしい口調。 こんな人 ひとりしかいない―