金持ち面をして、金さえ持ってたら偉いだなんて言いたげだった

再度考えた、彼はどんな医者を目指していたんだろうか?

でも、聞いてどうするんだろう?

あと1ヶ月位なんて・・・いま私から電話されても

彼は困るかもしれないし

自分の命の残りを再度確認してしまうかもしれない

触れられたくないことは誰にもあることだと思うし

いや、かえって電話する理由が見つからない

「あの河野ですけど、」って言ったって相手は判らないと思う

一応、名前を名乗ったが覚えてはいないだろうし

だって間違い電話だったんだしね

でも・・・彼のその後を私は知りたくなった

彼は、島田さんはどんな医者を目指していたんだろう!?

幸いにも私は大きな病気にかかったことがない

私の家族も病気になることが少なかったと思う

逆に友人はよく入院したりしたっけ!!

そのたびに花を包んでお見舞いに行ったりした

でも、なんか感じのいい医者には出会ったことがなかったかな

だから、あの言葉が心に残っているのかもしれない

「僕は医者失格だ・・・・・」

言葉というのは本当に大切なものだ

伝えたいのに伝えられない、感じてほしいのに感じてもらえない

そんなことは沢山あった

ふと考えた

私は彼に何を伝えたいんだろう・・・