拍手をしながら立ち上がる結奈。


「あなたすごいですわ!!」


輝く瞳で蓮を見つめる。


「……お前、怖くねぇの?」


「怖い?何を言ってるのです?蓮様、すごく素敵でした!!何か武道でも?」


結奈の中で蓮は、もう憧れの存在になっていた。




「や…俺、族に入ってっから」


「ぞく?どんな競技です?」


屈託のない目に、蓮の方が言葉に詰まる。


「暴走族のことだけど…」


「暴走族?それをしてる方は皆様お強いのですか?」


「あー…まぁ色々…」


暴走族すら知らない平和なお嬢様である。