まぁ遠まわしに甘えていいって言ってるみたいだし。


 ・・・ホントに甘えるよ?



「・・・フラれたわけじゃないよ。ただ、勝手にあっちが自然消滅って決め付けただけ。」


 でも・・・私は。


「違う・・・って、言えなか・・・った。」


 ポタリ、ポタリと涙が自転車のハンドルに零れ落ちる。


「・・・私の・・・方が、気持ちがっ・・・大きいて、知られた・・・く、なかっ・・・た・・・!」


 ・・・まだ、こんなにも残ってるのに。

 この道だって、何回も2人のりしながら通った道で。



「・・・ん。」


 泣きじゃくる私を背に、彼はゆっくりと自転車を押しながら相槌を打つ。

 それが適当にではなく、ちゃんと私の言葉を呑みこみながら打ってくれてるから、心地よい。


「・・・っう、うっ・・・」


 とうとう泣くだけとなった私の隣に、気付けば背中をさすりながら彼は夜空を見ていた・・・。