ちょっと待って… この扉の奥には… 「おい、離れろ…」 その言葉とともにあたしの唇から十夜くんの唇が離れた。 「なんだよ柘気…ヤキモチか?」 「そうだけど」 柘気はあたしの上に乗っかっている十夜くんの腕を強く掴んだ。 「十夜…まだ腕は痛いのか?」 あたしはその言葉でハッとして十夜くんの方を見た。 十夜くんの顔は少し強ばっている。 だけどそんな表情は一瞬しただけですぐに笑顔になった。