あんなに女が嫌いだったはずなのに、

千沙は、どこか嫌いではなくて、

変な気持になった。

ブランコをこいでいる千沙は、

危なっかしいけど、無邪気で、

清らかで、胸に締め付けるような

痛みとともに愛しさを感じた。

「櫂くん、今何考えてたの?」

「・・・秘密。」

「えっ、そんなこと言われると気になる。」

「今は、秘密。」

「何それ、む~、気になる!!」

それから、暗くなる前に帰ることにした。