「具合が悪いのかと思ってたから、良かった
です。」
なぜか、ドキッと音を立てた胸に驚いた。
「なんで、良かったの?」
「えっ、心配だったから?どうして?」
「見知らない人でしょ俺?」
「うーん?知ってるよ?夏川くんだよね。」
「そうだけど、なんで知ってるの?」
「同じ学校だよ。」
「えっ、うそ!?」
「ホントだよ。面白いね、夏川くん。」
「・・・・櫂(かい)・・・」
「えっ!?」
「俺の名前、櫂そう呼んで。」
「・・櫂くん??」
「櫂」
「櫂くん」
「はぁ~それでいいや。」
「ふふ、ほんと面白いね櫂くん。」
「・・・・・・・・・・」
ふわっとした風が肌をくすぐる。
変な感じだ。