内心、心を読まれている気がして、

心臓がビクリっと言って落ち着かない

のを見破られないように、冷静を保たせた。

「でも、そこがまた櫂くんのいいところ

でもあると思うよ。」

「千沙は、優しいね。」

「えっ、そんなことないよ。

千沙は、結構、我儘だから・・・」

「へーそうなんだ。」

家に近づいてきたようで、

歩くスピードも自然と遅くなる。

横にいる彼女は、ニコニコしながら

話している。

この心地がいい時間が、

もっと続けばいいと思った。