「何あんた?そんなに小さいくせにあたしたちに歯向かう気?」

「歯向かう?違うね。ってか、あんたみたいなブス誰も相手にしないって」

「ぶっブスですって!!?」

「そうそう。あんたの顔がそんなだからこの子も相手にしてくれないんだよ」


そう言ってその子は俺を引っ張った。

俺よりも少し上にあるその子の顔。


「んじゃオバサン。バッイバ~イ」

「ちょっ待ちなさいよ!!!」

「走るけど…大丈夫だよね?」

「誰に言ってんだ?楽勝だ。」


俺がそう言うとスピードを速めたその子。

俺は幼稚園じゃ1番速い。

その俺と同じ速さ…。男じゃないのに。

この速さは緩めず大人の中を走っていく。

これが出来るのは俺達子供の特権。

あのオバサンには出来ないことだから…