「ちょっ、ちょっと魅稀!」


「ごめんね、桃亜姉。今までアリガト」


魅稀を追いかけ部屋から出ると、タイミングよくガチャリと音をたて背後で扉が閉まる。

ぽつんと呟かれた魅稀の言葉と閉められた扉にえっ!?と思う暇もない。

外では魅稀が写真立てから一枚の写真を取り出しているところだった。

チラッと見えたのは幸福そうな四人家族。

笑顔に溢れ、幸せに満ち足りているのが一目みただけで分かるような写真だ。

それを懐にしまい込み、魅稀はバサリと髪を解いた。

あーあ、私がせっかく結んであげたのに。。



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