まさかただの騎士が一国の姫君に恋心を抱いているなんて、なんと無礼な事か…



俺は顔をあげることができなかった。



そんな時…



「ヴェネット…」



俺の肩に、陛下の手が置かれた。



「お前が思う通りに生きろ」



肩から感じる陛下という人物…



俺はやはりこの方に一生仕えていきたい…



そして…姫にも…



俺は…どうしたらいい…?



たくさんの感情が渦巻いて、俺に襲いかかってくるようだった。



もし…身分も何も無い時代に生まれていたら…



そんな事を考える自分が、情けなくて仕方がなかった…