冷血がーるの恋物語。





あの時
起こったことも



あの時
顔を合わせたことも




ここまで来たことも



このクラスになったのも



全ては
偶然じゃなく必然で






運命だった










あたし、水谷莉空。


何かと噂なじょしこーせー。



とかいって、

何に関してもぜーんぜん興味ない。



自分でもこの性格、不利だと思う。




とかいって、

ぜーんぜん直す気もない。








「…可愛いのに性格悪いんだってね。」



何処からか聞こえてくるそんな言葉にももう飽き飽き。


思わず顔をしかめてしまう。


あーあー、
あたしですよ。


その可愛い子。









だって、みんなよく言ってるじゃん。



可愛い子って、性格悪いんだって。


だったらそんな驚くことじゃない。



あたしのこと変わってる的な目で見るのは勝手だけどあんたらのが十分変わってるよ。




あたしは、

友情も知らなければ
愛も知らない、

可哀相な女の子。



そんな風に考えてるのって、やっぱりあたしも変わってるのかもしれない。







「なーんてこと言われちゃってるけど、平気なの?」



1人、悪態をついていたとき。


後ろから1人の男が話し掛けてきた。


誰?


「…平気じゃないわな。そりゃ。」


あたしの心の問いかけも虚しく彼は勝手にも、話み進めていく。



「……別に平気だけど。」


後ろを向いて、答えたとき、気付いた。


噂の人気者、原野大河。


格好よくて、気が利いて、スポーツも勉強もできてって言う。

要は
もてる要素をたくさん持った、あたしと同じ部類の人。







って言っても。


皆に見せてる外見が違うから。


あたしと同じ匂いがするのは間違いじゃない。



「そーなんだ。勿体ない。可愛いのに。」


思ってもいないこと、ぬけぬけと口に出さないでもらいたい。



「…可愛いだけじゃなくて、勉強もスポーツも出来ますが。」



分かったような言い方がムカついたから、少し便乗して言葉を漏らす。



「性格悪いね、水谷サン。」


「…どーせあんたも何にも興味ないくせに。」



わざわざ自分を隠す必要性が、あるのかないのか。