「蜜柑。嘘つかなくていいから。
この傷誰にやられた?」


先輩の声があまりにも優しくて
ついに泣いてしまった。


「ゆっくりでいいから話して?」


アタシは首を横に振った。



「口止めされてんの?」



「違います・・・。」



「じゃぁ話して?」


「無理・・・です」



「何で?」



「話したら負けた気がするし
それに......」


「それに・・・?」





別れられなくなると思うから。


でもそんなこと言えない。



だからアタシは違うことを言った。