品川はその場に立っているのではなく僅か数センチだが浮いている。


耕太が信じられないと言いたげに品川を見た。



「教えてやるよ。俺が何で小さく見えるのかって聞いた理由と上野さんを睨んだ理由。それから今浮いている理由を。」


「理由は…?」



耕太は真剣な面持ちで品川を見る。


すると品川は一息置いてから言葉を紡ぐ。



「理由は簡単。俺がとうの昔に死んでるから。」


「えっ昔…?」


「今から五年前で俺達が小学五年生の春にな。」



耕太は何となく予想はしていたがまさかそんな昔に亡くなっていたとは思っていなかったので驚いてしまった。


しかしそんな前に亡くなっていたのであればどうして品川の姿が小学生に見えるのか説明がつく。


小学生で亡くなったのでそこで時間が止まってしまったということが。