その携帯には見覚えがあった。
「智ちゃんのケイ・・タイ・・?」
それはいつも智ちゃんが大切そうに持って
いるピンクの携帯電話だった。
「智歌の・・・
捨てるのはアレだし・・・・
預かってくれる?」
私は智ちゃんの携帯を開いた。
そこには2人で取ったプリクラが待ち受け
になっていた。
横を見るとその待ち受けを見ながら智
ちゃんのお母さんの顔がどんどん悲しみ
にあふれていて、今にも崩れそうになって
いた。