(か、悲しい・・・)

「春ちゃん、ほら飴」
「・・・朔ちゃん、ありがとー」


朔ちゃんから
貰った棒つきキャンディーの
袋を力無い顔であける


「・・・甘いね」
「まだまだあるんだよ」


机に顔を伏せて
ありえない、と一言
放った.

「おい春. 現実を見ろって」


潤ちゃんの言葉に
顔をあげると
市は携帯を開いてニヤニヤしてる.


「・・・気持ち悪っ!」
「何だよっ!」
「いっちん、彼女ー?」


「あ、あぁ・・・」
「ならもう行けば?」
「校門で待ってるってさ」

携帯を閉じて
じゃあな、と言った
市の顔は今までにない笑顔.


(嬉しいんだろうな・・・)