「これ食べたら、少しは答えが見つかるかも知れないよ。」 何故だか分からないけど 私は何も言わずに受け取った。 「人間ってね、何かに気づいて欲しいとき、何かを残さずにはいられないの。」 「…物を置いてくってこと?」 先生は得意の笑顔で笑ったが 少し悲しそうな顔をした。 「それは人それぞれね。…でも絶対、気づいてくれる人はいるの。」