そいつの顔を見る事もなく

私はただ真っ直ぐに空を見ていた。


何分たっただろうか。

男は何も言わずに、まだ横にいる。


すっかり泣き疲れてしまった私は

何も言わずにその場を立ち去ろうとした。

その時やっと、男が喋った。



「居場所がないなら、ここで働けばいい。」



男はそう言うと私の前に立ち尽くした。


そして、私の目の前に

写真が貼っていない

綺麗な履歴書を差し出した。