あの日も、この"moon"の前で

待ち合わせをしていた。

夏休みが終わって

ムシムシと熱い夜だった。


「純ちゃん?」


そう言って来たのは

出会い系で知り合った、30代くらいの

今どきの普通のサラリーマン。名前は忘れた。


「そうだよ。」

「今日はいくら欲しいの?」

「3万で、キス フェラで挿入はなし。」

「なんだ、挿入無しかよ。…わかった。」



私はお金何かいらない。

ただ自分を認めてくれるだけでいい。