その時、愛里がまたあの目をした。

私は黙って下を向いた。


「…私ね、友達と秘密事って初めてだから。」

「あっそ。…」

「うん。そうなんだぁ…」


私の素っ気ない返事を気にせず

愛里が遠い目をして

屋上の空に広がる空を見上げた。


愛里が言った言葉の意味を知るのは

そう時間もかからなかった。



この子は私以上に

悲しい過去を持っている気がしたから。