そういえば、どうしてさっき

あの子は泣いてたのか…?


澤田以外、私に追い付く奴は

今まで誰もいなかった。



ふと、いつもと違う風が

背中に当たるのを感じた。


いつもなら屋上の鍵は必ず閉める。

今日はがむしゃらに屋上に来たせいで

完全に鍵の事は忘れていた。



でもこれも運命なのかも知れない。



私は振り向きもせずに

ぶっきらぼうに呟くように言った。