「起きていたんですね。よかった。お連れの方々はまだ寝ておられますよ」
ソフィアはそう言ってエセル達が寝ている方を見た。
三人共、すやすやとよく眠っている。サスティンも見つめながらにこっと笑うとなおも三人を見つめる。
「あの…」サスティンは三人から視線をソフィアに戻した。
「ここはどこなんでしょうか。途切れ途切れしか記憶がないんです」
サスティンは不安そうに言った。
ソフィアは微笑む。
「ここはユサの村です。あなたは自分がどんな目にあったかお分かりですか?」
ソフィアが問う。
「ユサの村…」
サスティンはぼーっとした目で見つめ、まだふわついたような声で呟いた。
「俺はなぜだか分からないのですが倒れて、誰かに担がれて、それで……」
そこから先が思い出せない。
急ぐ足の音と、たまらなく眠かった感覚しか記憶になかった。