サスティンは危険だということを悟った。


こんな姉を見たのは初めてだったのだ。


そんな姉にサスティンは恐怖をも感じていた。


それでもこの状況は危ない。


「姉さん、や――」サスティンの想いは届かなかった。


言いかける途中でティイラは一瞬にして視界から静かに消えてしまったのだ。


サスティンは状況が読めずにただ言葉をなくした。


「ティイラ、どうして…」


父が姉がいた場所を見つめながらぶつぶつと呟いている。


正気ではない。