そして姉、ティイラを父が見つめている。 しかしそんな父も膝をついて、血まみれの左腕をおさえていた。 そして姉さんを信じられないとでもいうような面持ちで見つめている。 いつも厳しい顔つきで表情を変えない父のこんな動揺した様子をサスティンは初めて見た。 「なんで……」 「なぜなんだ、ティイラ……」 父もサスティンと同様に状況が飲み込めてないようだ。 苦痛で顔を歪ませながら訴えかけるかのようにティイラを見る。