水で薄まったコーラを少し口にふくんだ。

「え?どうしたわけ?」

ナホが心配そうに私の顔をのぞきこんだ。

「ナホ、本当にごめん!海まで自力でいかないといけなくなった。」

「なになにそれ。」

「ケントの伯父さんの車が渋滞にはまったらしくって、海に直行するって。」

「そうなの?!海までって、こっから電車とバスだっけ?」

「たぶん、そうだったと思う。ほんと、もう嫌になる!」

私は頭を抱えてテーブルに突っ伏した。

「でも、渋滞ならしょうがないよ、カナ。今すぐ私も彼氏に連絡とって、その旨伝えるわ。それにしても、こっちの彼も遅いよね。何やってんのかな。」

ナホは携帯を取り出して、彼氏に電話をかけた。

優しいよね、ナホは。

しょうがないだなんて発想、まったく思いつかなかったわ。

はぁ。

私が短気なのもいけないのかもしれない?!