「カナがさぁ、彼氏のこといっつも『あいつは大馬鹿だから、絶対別れる』って言ってたけど、まさかさ、こういう提案するほどだとは思わなかったわ。」

「でしょ?でもさ、私もこれで別れる踏ん切りがついたってわけ。」

「え?まじで。別れるの?」

「うん。もう愛想つきたってか。私も高校生活あと残り少ないじゃん?あんな馬鹿と付き合ってる時間がもったいないって思い始めてさ。」

「そんなこと言ったって、ああいうお馬鹿なところがまたかわいいなーとか思ってたりするんじゃないの?」

ナホは、上目遣いでくすっと笑った。

絶対ない!

かわいいなんて、思ったこと、これっぽっちもないんだから!

私も高校生活を少しでも楽しいものにしたいって、とりあえず手近にいたケントと付き合っただけ。

そのとき、携帯がなった。

ケントからだ。