この体の重たい感覚は砂に埋められてたってこと?

視線を自分の体にやると、ようやくその状態を理解することができた。

ケントは、私のすぐ横にどさっと腰を下ろした。

「でも、まじでカナが死んじゃったらどうしようかって思ったよ。よかったぁ。すっげえよかった。」

ケントはそう言いながら砂だらけの手で自分の頭を抱えるようにうつむいた。

気を失った私を、ここまで運んでくれたのはケント。

くだらない奴だと思っていたけど、その時ばかりは命の恩人だった。

それにしてもナホは??

「ナホは?」

ケントは顔をゆっくりと持ち上げた。

「ああ、すぐそこで、砂に埋まってる。」

ケントの指さす方を見ると、ナホも同じように砂に埋まっていた。

そして、泣いていた。

「もう、やだぁ。どうしてこんなことになっちゃったの?家に帰りたいよぉ。」

ナホの声を聞いているうちに現実に引き戻され、一気に不安に襲われた。

そうよ。

私達は今どうなっちゃってるの?

そしてここはどこ?