悪魔が私に話し掛ける
(とどめ刺せよ)

いいえ、私はまだとどめは刺さない。

まだ足りない。

『杏子、言い忘れた事あるんだ。洋一さんがね、杏子と結婚前提に付き合いたいって。でもね、私洋一さんを愛してるのね、だから杏子に洋一さんまで奪われたらどうしたらいいか分からないし…』

杏子の目は恐怖に震え命乞いを訴えていた。

私は構わず続けた。

『杏子、あんた洋一さん好き?』

杏子は血を吹き出しながら首をふっている。