私はこの場所から逃げ出したかった。

杏子と二人で居る事がたまらなく嫌だった

『せっかく来たんだからお料理食べて帰ってね。私がおごるから』
私に出来る事、杏子にしてあげる最後の事…のつもりでそう告げるのがやっとだった。

杏子は…

『私帰らなくてもいいの!』

え?

何を言ってるの?

嬉しそうに杏子が続ける

『幸子のお母さんに頼んでここ教えてもらったの!半年毎日お願いしてやっとだったんだから』


…夢だよ、これは…